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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第9章 aims


ー研磨sideー





クロがパッションフルーツのケーキ。
穂波がキャロットケーキ。
おれは桃とチェリーのケーキ。



どれも美味い。
生なんだって、材料。







「なんかすげー海外っぽいな」

『そだね、西洋や東南アジアではもっと触れやすいかも。日本もきっともっといっぱいになってく、かな』

「取り入れるのは好きだけど、ブームになると変な騒ぎ方するよね、日本って」

『あー…ちょっとわかるかも……どこか日本って、みんな一緒みたいなデフォがあるから。
なにかをわぁ!ってすると、それが束に見えて、拒否反応もその分大きくて、みたいなのは…感じる』

「へー… やっぱあんの?国柄っつーか…」

『国で括るのは浅はかと思いつつ、結局やっぱりあるものもあるし。
でも結局、一人一人のアイデンティティだし、みたいな。当たり前の感じだよ。
音駒ってくくりたいとこもあれば、クロさんはね、海さんはねって、それぞれを語りたいみたいな…
当たり前の感じがやっぱりあって、あれ、楽しいし…
なんであれ、自分の位置を抜け出して外から見る、
物理的にできなくてもちょっと引いて俯瞰して見たりとか、そういうの、わたしはすき』

「なるほどねぇ、まぁ大した違いはねーはな、人は人だもんな。
でも文化とか伝統とかで出てくるカラーみたいなもんはあるよね、的な」

『うんうん!すごい、クロさん、わかりやすい。今のすき!』

「そりゃどうも〜 今日一緒に寝る?」

『ううん、寝ないけど……』

「…笑」






穂波はすきな類の話だったから
クロのノリなんて完全にさらっとスルーして、話を続けてく。
クロに質問して、クロの話とか言い回し聞いてってして。
すごい、嬉しそうに。すごい、楽しそうに。






穂波と人が、知り合ってくのを見るのがすき。
それはなにも、初めましての場合だけじゃなくて。
こうやってクロと、また一段と深く知り合っていくような姿を、見るのが。

楽しそうで、幸せそうで、魅力的で。

キラキラしてて、でも眩しくなくって、あったかくて。






この穂波をずっと見てたいってのは、
おれのなかで一つのテーマっていうか、向かってる方向っていうか。
いろいろを考えたり選んだりするときに、向かう矢印の向きを示すものだな、とか。








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