第9章 aims
…それにしてもなんか、ころころと転がってくみたいな数日だった。
合宿に顔出して。タクシーで欲情してアマンに泊まって。
いつもしないような買い物して。すごい部屋で何度も身体重ねて。
挙句、悪魔に乗っ取られて。
福永のとこは、その中にあるオアシスみたいな。
いやどれもなに一つ苦痛じゃなかったけど。
なんていうか、イレギュラーの中にある、オアシス。
穂波が、人の休める場所を用意できるってすごい。
お店ってすごい、ってたまに言う。
特にやっぱ、ご飯屋がすごいって思うらしくて。
行けばその人に会えるってのは共通で。
且つ、ゆっくりする前提で行けて。
ゆっくり会いたい人のいる空間を共有しながら時間を過ごせるってすごいって。
たまに、聞くときはいつも、ちょっとコーフンしながら話してるけど。
なんか、前よりちょっとそれがわかった。
赤ちゃんのことが頭によぎる。
いろいろ、組み立てていかなきゃ。
でもまずはいろいろ手を出さずに、今は株をもっとやりこみたい。
そもそもが博打みたいなものではあるけど、でも、そのなかである程度の安定を。
ゲームの大会も、いろいろ決まってるし……
ていうか何通かちゃんと読みたいメールきてたな。
どれもゲーム関係で、どれも英語だった。
あとでちゃんと読も。
契約のことっぽいのあったけど… スポンサー的な。
かなり気になる会社ではあったけど、今スポンサーにつかれるとなぁ、とか思う。
そういう縛りなしでできるように、いろいろ進めてるわけだし……
eスポーツなんて言われてるけど、スポーツとはまた違うから。
スポンサーとか契約とかなしでも、ある程度いけるんじゃないかな、とか思ってる。
なんであれ、いく通りかのパターンを考えながら、
今できることをいろいろやってく。
仕事もだし、家のこともだし、それから穂波との時間とかも。全部。
気を抜くと… 子供部屋のこととか考えそうになるから…
その辺は意図的に逸らしてかないと。
ほんと… おれ、穂波が絡んでくるとただのばかだなってつくづく思う。
でもまぁしょうがないよね。
おれの人生最大且つ永遠の目的みたいなのの中心に、穂波がいるわけだし、とか。