第9章 aims
ー研磨sideー
「まぁ、実際身体に変化起こるのは女性側だからな。
その分男にフォローができることがあるんだろうし…
いやでも渡米できる場合もあるんじゃねーの?わかんねーけど、
その辺は2人で話して、2人で決めていくしかねーだろ」
…まぁ、そうだよね。
男は男だし、女は女だ。
だからどうとかじゃないし、それに違和感がある人も全然、理解できる。
男と女がペアにならなきゃいけないわけじゃないし。そもそもペアにならないといけないわけじゃない。
でもだからって、男も女も一緒だってのは極端だとは思う。
平等と統一みたいなの、混同しがちな世の中だけど。それは違う。
それぞれ、でいいんだと思う。
いろいろが。
「…まぁそんなわけで、目的が何になるかはわかんねーけど、まぁ、みんなで会おうぜ?
烏野の東峰とかもこれるかもだしさ。 あとー… 遊児とか?
誰彼構わずってわけじゃねーけどほどほどに、集めたいなーとか思いますケドモ…」
「まぁいいんじゃない。 任せる」
「まじに?」
「場所の提供はする、でもそれしかしないよ」
「はいはい、まぁお前ももしかしたら見送られる側になるかもしれんしな。
焼きマシュマロたちも声かけてみるかー YouTubeから連絡入れれたりすんのかね…」
クロは手を洗いながらぶつぶつと言って、次の作業に取り掛かる。
おれは、枝豆をつまみながら、それをぼーっと眺める。
クロがおれの家の台所にいる。
なんか、変なの。
でも、別に、ありかも。
クロと暮らすのとか考えたことなかったけど、いいだろうな。ラクだろうな。
うるさいのも、ウザイのも、面倒なのも含めて、ラクだろうな。
「ねぇクロ」
「んー?」
「もしこのまま穂波に生理が来て、予定通り進むとして」
「うん」
「クロ、おれん家来る?」
「ブーーーーッ!!!」
「…ちょっとクロ、なにやってんの」
ちょうど水を飲もうとしてたクロが水を吹き出した。
雑巾で慌てて床を拭きながら、なんでか顔を赤くしてる。
「お前なぁ、なんか、妙なプレイボーイ感やめろ…… なにをいきなり言い出してんだよ」
「…別に。 クロもありかなって思って」
「はい? それはどういう意味で?」
「は?」