第9章 aims
ー研磨sideー
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「…はぁ …意味わかんねぇ」
穂波と国立の家に帰ってきて。
思ったより時間あったから、少しのんびりしてから穂波はレッスンに向かった。
洗濯しとこうかなとかも思ったけど、明日は天気良いみたいだし、明日でいいかな。
それに穂波のワンピースとか普通に洗っていいのかわかんない。
ワンピースって面積広いからシワもできやすくない?とか。
特にリネンのとか…… やめとこ、明日一緒にすればいい、みたいな。
そんなことをぐるぐる考えながら、パソコンの前で過ごしてると、
さっき駅に着いたって連絡が来てたクロが家に来た。
なんか作って、とは言っておいたから多分少し買い物もしてきてる。
クロは昔からちょこちょことご飯を作ってる。
基本おばあちゃんが作ってくれてたけど、ちょこちょこタイミングで。
老人会?とかで旅行の時とか、なんかまあそういう、留守の時にはうちで食べたりしてたけど。
変な形の卵とか、端が焦げたキャベツとにんじんの入った野菜炒めとか、伸びたラーメンとか。
一緒に、たまに食べさせられたりもした。
それでも継続はやっぱり身になるようで、成長に伴い、だんだん料理の腕も上がっていった。
穂波みたいに作ること自体もすっごい好きでさらに上手い、とは違うけど、
まぁ、簡単なものならさっと作れるよ、って感じだった。
高校に入ってからは穂波といることも多くなったし、クロの料理食べたのとか、一回くらいで。
それ以来、食べてない。
去年から一人暮らし始めて、もっと上手くなってるかなとかちょっと思う。
…で、そう。
今、クロは鶏と豚の挽肉を捏ねたやつを、
半分に切ったピーマンに詰めながらため息をついたってわけ。
意味わかんねぇってのは、さっきホテルで起きた時に起こってた出来事。
話すつもりなかったけど、話の流れで、話すことになった。
なんか、クロってやっぱり、隠しきれないみたいなとこあって。
そういうのって他の人にはないな、って思う。