第9章 aims
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「え?」
『……?』
「…ん?」
『…ンぁ……』
夢から覚めたと思ったんだけど。
まだ、夢?
おれと穂波はばっちし繋がってて。
それからおれのが穂波から、溢れてくるのを感じる。
その感じにまだ反応しちゃうのか、穂波は甘い声を小さく漏らす。
あれ、まだ、夢なのか?
でも、穂波は夢では下にいたはず。
今は横向いて抱き合ってる。
それに…
「…ツノがない」
『…しっぽは?』
「『…え?』」
ん?
『耳も尖ってない』
「歯も、鋭くない」
『研磨くんの』
「穂波の」
『「え?」』
何でおれの耳とかしっぽなの。
あ、そっかあれはおれの夢で、穂波は別に… って、え?
「夢見た? え、これまだ夢?」
『夢、見た。 これは多分、現実?』
「……」
『……』
思いっきり、繋がったままだし垂れてきてるけど。
なんかもう、今更だし。
それに… 今はもう、何とかできる確信みたいなのはあるから。
慌てて引き抜くとかは、しなかった。
繋がったまま、なんかよくわかんないけど。
『研磨くん悪魔だった。色っぽすぎる、悪魔』
「ん、穂波も悪魔だった。サキュバス。エロいやつ」
『全部あげるって約束した』
「ん、いつも全部もらってる。 おれは搾り取るって言われた。
足りなくても満足するまで何度でもって」
『……』
「…笑 なんかよくわかんないけど、こんなこともあるんだね」
『…研磨くん唇切れてる』
「え?」
『もう血は出てないけど、結構深く、いったのかな?小さいけど赤く腫れてる』
「え、あ、ほんとだ」
唇に舌を這わすとちょっとプクってしたとこがある。
夢の中で歯を立てられたとこ。
ていうか、
「これ、どうしたの」
寝る前いっぱいシたけど。
こんな傷付けてないし、見てもない。
できたばっかの紅い、歯形みたいな傷。
わりと深くて、まだじゅくってしてる。ライトに結構エグめなやつ。