第9章 aims
唇から滲み出てくる血をキスをしながら舐めとって。
それから外側からも出血してるそれを、ぺろりと美味しそうに舐め上げる。
『…動くね?』
「ん、 …え?」
『なぁに?』
「ううん、なんでもない。 …おれのことみてて、そのまま」
穂波の瞳が鮮やかなルビー色に変色した。
血を摂取するとなるのかな、そうとしか思えないタイミングで。
いつも綺麗だけど、いつもと違った綺麗さ、魅力を放つその瞳に。
ぞくってした。
ほんとに食べられる、そんな感じがするような、
綺麗で惹き込まれるけど同時にすごい鋭い印象を受ける色。
『んッ……』
穂波は言われた通りおれをじっと見つめながら腰をゆっくりと動かし始める。
悪魔のくせに、従順で。
サキュバスのくせに、おれの目を見てるだけでナカがきゅうきゅうしてる。
感度が良すぎて攻めてるのか攻められてるのか、
相変わらずわかんないな、って思う。
……いじめたくなる。
でももうちょっとこのまま。
おれの上で艶かしく腰を揺らす穂波見てよっと。
『研磨くんっ すき』
「ん、おれも」
『研磨くんだけ……』
「ん、おれだけ」
おれも相当気持ちよくってやばいんだけど、
自分の上で恍惚とした顔で快楽を貪るように腰を動かして、
余裕のない表情や声を見せる穂波を目の前にすると。
よくわからないけど、余裕が生まれる。
余白っていうか。
もうちょっと俯瞰して楽しみたいな、みたいな。
だからおれは今日も、夢の中でさえも。
おれの上で乱れる穂波を見るのを楽しむ。