第9章 aims
たっぷりとその指で、鋭い歯で、
冷たい舌で、それからもうナカに収まっている尻尾で。
それはそれはうんとたくさん触れてくれて。
悪魔なのに。
甘い。
甘いからこそ、悪魔なのか。
病みつきになって、離れられなくなるような。
でも容赦ない痛みとかもあって、
夢の中でも緩急が絶妙な配分でなされる研磨くんってサイキョーだ。
「もういい?」
『…ん、ちょーだい』
「ん」
『…ぁ… んッ……』
尻尾がじゅぼって引き抜かれて、
研磨くんのそれが、わたしのナカに押し入ってくる。
熱くて硬い、それが奥の奥までずずずっとはいると、
研磨くんは深いキスを口に落とす。
舌を絡め、そして舌にわざと歯を当てて、
滲んだ血を味わうように、何度も何度もキスをする。
「動くね…」
『んっ…』
夢の中だから、何も纏わずに繋がった研磨くんのそれの感触は、感覚は。
夢の中とはいえ、気持ちよすぎて… これってほんとに夢なのかな…
よくわかんなくなる
「インキュバスってさ、どんな生き物か知ってる?」
『…んっ んん』
奥まで沈めた腰を前後にゆっくりと動かしながら研磨くんが問いかける
わたしは声を漏らしながら首を横に振る。
「おれは、穂波の性欲とか粘液とか血とかで精気を得てる。
だから… シてるかぎりずっと元気。
寝てる間に孕ませるってのがまぁ、知られてるけど。
おれは、寝てる穂波も良いけど、起きてる穂波ともシたいから」
『…んっ』
「まぁ…そんな感じ」
ぐぐっと奥に数回突かれれば、身体に電気が走ったみたいになって。
それからふわぁと力が抜けていく。
「…ナカに出すね?』
『…ん、いっぱい、ちょーだい』
ふっと目を細めて、またキスをしながら。
研磨くんは射精感に任せるように腰を振りはじめる。
尻尾の先っぽで、胸の突起を撫でながら。器用に、丁寧に、でも少し粗く。
それから奥に奥に研磨くんの熱い欲が吐き出される。
脈打ちながら、震わせながら、どぴゅどぴゅっと奥にあたるその感覚に
更に夢に堕ちていくような、でも同時にはっと夢から覚めるような心地になる。