第2章 ふたり
油淋鶏、豚肉と豆苗の炒め物、トマトと玉ねぎのサラダ、
きゅうりとセロリの和物、冷奴(ごま油、カリカリのじゃこ、ネギいっぱい)、
蒸しなすの中華だれ、肉団子と春雨の中華スープ、ごはん。
…穂波っぽい献立。
「谷地さんうめー!」
「はい!穂波ちゃんに教わった通りにみんなで作りました!!」
穂波の味になるわけはないんだけど… でも美味しい。
「なぁ、研磨。 穂波ちゃんって留学したりすんのか?」
「え、なんでいきなり」
「いや研磨たち、3年なんだもんなー!って思って」
「うん、アメリカの大学いくって」
「へー!かっけー!!! 1年とか?」
「…いや、普通に4年かな、大学院いくならもっとか…」
「えっ4年も行くの!?かっけーーー」
さっきからそればっかり言ってる…
「研磨は普通に日本なんだろ?」
「うん」
「へー、なんかもう熟年カップルって感じだな!わかんねーけど!」
「いや、翔陽、それ嬉しくない。やだ…」
「ほぇっ ごめん、研磨!なんていうか、あれが言いたかった!」
「………」
「ほら、なんつーの?」
「どっしり感!」
「絆の深さ!」
「根性!」
「強い信頼関係!」
「深い愛!」
…あぁ、どっと疲れる。
「ちょっとその熱苦しい言葉やめてくれます、脳筋組のみなさん」
「おいなんだと月島!研磨、お前からも言ってやれ!」
「いや、おれも月島に同感…」
「穂波ちゃんと孤爪さんは確かにでも、そういう言葉は似合わないよね」
山口がやわくフォローする。
「じゃあなんだよ月島、言ってみろよ!」
…どんまい、月島。