第2章 ふたり
ー研磨sideー
2013年5月。
今年もまた、宮城に遠征。
烏野と、あと何校かと練習試合。
でも、今年は烏野の宿舎に一泊して、
最後の2日間だけちょっとした合同合宿みたいな感じ。
烏野にはマネが3人になった。
翔陽から聞いてたけど…
うちも3人。
春高後に入った2年の2人と、
春に入ってきた1年1人。
今朝合流して、練習試合いっぱいやって、
仕出しの弁当食べて、また練習試合して…
今は烏野の合宿用の宿舎にいる。
夕飯は監督とマネージャーで作るらしい。
「谷地さーん、メシ楽しみにしてるからなー!」
翔陽が食堂へ向かおうとしてるっぽい2年のマネに声をかける
「うん!頑張る! 事前に穂波ちゃんにいっぱい相談したから、その通りに…」
最後はごにょごにょしてて聞き取れなかったけど、
一緒に献立を考えてるとは穂波から聞いてた。
「穂波ちゃんは?どっか行ってんの?」
「うん。オーストラリア」
「へー!かっけー!」
オーストラリアって国がなのか、
海外旅行そのものがなのか、
どこがどうかっこいいのかはよくわかんないけど…
去年と同じ流れだとアキくんの出場してるサーフィンのワールドツアーは
4月に東オーストラリアで二箇所、そのまま西で一箇所、そのあとバリだった。
けど今年は東二箇所のあと一旦バリ、そのあと西での開催らしい。
西オーストラリアに行きたい穂波は少し残念そうにしてた。
焦らされてる…! 募る思い…! とかこっちもこっちでよくわかんないこと言ってた。
「旅行?」
「…うん、旅行かな」
「へー!かっけー」
「アキくん… 穂波のお兄さんがプロサーファーで今ワールドツアー中」
「えっ!?マジで!かっけーーーー!!!」
…翔陽、それ何回言うんだろ
「…おぉ!俺それテレビで見たぞ!」
烏野のリベロ、夕くんが話に入ってくる。
「運天アキ、プロサーファー、世界ランク4位!ツアー始まるぜ!っつって特集組まれてた」
「ほぇぇぇぇぇ テレビ! 特集! かっけーーーーー!!」
………。