第9章 aims
ー穂波sideー
なんか…すっごい贅沢に、でも至極いつも通りに、
でもやっぱ贅沢に。 研磨くんにいっぱい抱かれた。
浴室で。窓に手をついて立ったまま。
縁側をイメージして作られたっていう窓辺のスペースで座って。
それからオーソドックスにベッドで、2回。
つまり…… 5回も……
へっとへとでくったくただけど何一つすり減ってなくて、ふっくふくに満たされてる。
これってすごい。
いやでも普通に体力だけは減るから、研磨くんはわたしの隣で
「…あー…… 欲張った。 やりすぎた……」
って呟いてでろんってしてる。
もちろんもう日付は変わってて。
でも明日は朝食頼んでないから、だらだら朝を過ごして。
12時までにチェックアウトすれば良い。
「なんか色々ついてるけど… いいよね… いつものことだし……」
『…ん、いい、いい』
このままシャワーも浴びず、布団に沈み込むように、
2人で寝てしまおう。
研磨くんはわたしを抱き枕にするように腕と脚を乗せると、
すーすーと寝息を立てて眠り始める。
綺麗なその寝顔を少しだけ見て、
小さな灯を消すと外がもう、ほんのーり明るいことに気付く。
2度寝を、朝、一緒にダラダラすることをあんなに焦がれていた高校生の頃。
その願いはこの頃、叶って。
でもなんだろう、その特別さは変わらないままなのが、うん。
良い感じ、って思う。
だらだらを楽しめる程度にはわたしたちにはハリみたいなものが、
張りすぎることはなく、それでもあるんだって。
それはきっと、わたしたちにとって大事だから。
それにしても… なんだろなこの感じ。
まるでエネルギーの交換というか。
研磨くんと身体を交えることで得る力みたいなの、確実にある。
なんだっけ、そういう悪魔いた気がする。
インキュバス? …それは男の悪魔だっけ?
まぁいいや。このまま眠りに落ちれるなんて。 あぁ…幸せ。
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