第9章 aims
ー研磨sideー
パンダンリーフって葉っぱの色で鮮やかな緑に色付けされた、分厚いクレープみたいなの。
赤砂糖が包まれてる。
インドネシアのダダールってお菓子らしい。
「…うま」
『ん、おいしい♡』
若干蛍光っぽくも見える、鮮やかな緑。
ぱっとみ人口色素使ってるのかと思うけど。
葉っぱの色なんだな、とか。
それから葉っぱに包まれたものを開く。
バナナの葉っぱに包まれてたのは、もち米と紫芋の餡。
月桃の葉っぱに包まれてたのはよもぎの餅。
確かに最後に餅とか腹膨れる感じはあるけど、
小さいサイズなのと、あとこの蒸されて餅に移ってる葉っぱの香りもあるのかな。
普通に食べれた。
福永のいう、穂波の好きそうは理解できる。
無駄がない。
いや、穂波は会話の無駄とかは大好きなタイプだけど。
葉っぱに包まれてて、無駄がない感じ。
皿の上にも葉っぱが置いてあったからクレープみたいなやつもそれに乗ってて。
この場合出るゴミはゴミではないし、皿もさっと濯げばいい感じ。
そういう、資源とかそっちの目線から見て、無駄がない感じ。
それに葉っぱの匂いを蒸して移すとか、いい。
なんだっけ5月に食べるやつ…
ちまき?ちまきだ、あんな感じ。
うまい。ちょっと、こういうのハマりそうかもって思った。
ちまきくらいしか思い浮かばないし、季節ものだしハマりようがないけど。
『お腹いっぱい!』
「…ん、美味しかったね」
『ねぇ♡』
穂波は目がちょっと赤くうるうるしてる。
昼間買い物したし、目が疲れてるのかな。
でもなんかそれがまたかわいくて、唆る。
会計済ませて、福永が店の外まで送ってくれて。
また、電車に乗ってホテルへの道をいく。