第9章 aims
ー研磨sideー
ワンピースをくしゅって握って、
恥ずかしそうにゆっくり、穂波がまわって見せる。
背中ももっと見えてもいいくらいだけど。
でも十分可愛い。 決まりだ。
小花柄着てるのは見たことある。
黄色いワンピースも。
でもオレンジはないし、
この花柄じゃなくて植物柄みたいなのは持ってないと思う。
とにかく、かわいい。
カリフォルニアでも着れるんじゃないかなって思うし。
持って行ってくれたら嬉しい。言わないけど。
すでに3つのショッパーと、一つ、ケーキ屋の袋でいっぱいだけど。
さらに1つ追加。 こんなのってほんと、ない。
これからもあるか、わかんない。
でもなんだろうほんと、楽しい。
疲れたけど。
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駅に向かうときに、Ron Harman ってロゴの入った紙袋を持ってる人にすれ違った。
………なんだっけ。
「ねぇ、ロンハーマンって… 穂波すき?」
『ん? あ、うん、すきだよ』
「アキくんがくれたラグとかも?」
『うん、そうだね』
「この辺にあるのかな、知ってる?」
『ううん、知らない。二子玉のとこにしか行ったことないナ、東京では』
「………」
スマホでさっと調べると有楽町のルミネにあるみたい。
すぐそこじゃん、って思って。行くことにした。
穂波は普通に家のものとか買うと思ってるっぽくて。
うんうん、とか言ってるけど、なんか良い服があるといいなって思ってる。