第9章 aims
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んぬぬぬぬ……
まずい……
研磨くんがバスローブを極、普通に着てる。
「あ、何これ、思ってたよりすごい快適」
とか言って、まだ濡れた髪の毛で。
胸元を絶妙に露出させて、足も絶妙にちらちらさせて動き回り
そして今は窓辺にある椅子に座ってゲームをしてる。
今は7時。いつも9時から株をチェックするから、まだ時間あるんだ。
…それにしても、色っぽい。
「あ、穂波。今日もここ泊まってくことになったからさ」
『あ、うん、あいてたんだね。わぁ…楽しいね』
「買い物行こっか」
『うん?』
「折角だから銀座とか行こうよ」
『…んふ なんか、うん、行こっか』
今日はそんな日だもん。
そんなのも楽しいかなって、素直に乗っかることにする。
研磨くんから折角だし銀座行こうって、そんなのこの先、聞くことあるかなぁ?
「ていうか穂波、ちょっとこっち来て」
『ん、』
部屋の中にある段差を降りて研磨くんのいるとこまで行くと、
ぎゅうと腰に抱きついてくる。 それからそのまま布の合間から手を滑り込ませて…
「何にもつけてないの?」
『…ん、だって』
「だって」
『んーと』
昨日、もうタクシーの中ですでにびしょびしょだった。
でもまぁ今日、あとで買うまで履くしかないから、さっき手洗いして。
あとでドライヤーで乾かそうと思ってた。
『折角、すっきりしたし。 それにこのバスローブ着心地すっごくいいし。
身体が乾いてからも着ておきたいなって思って…』
「ん?それ理由になってる?」
『うう…』
身体を拭くためのバスローブで下着着けてなくて
身体が渇いた後もきたかったら、せめてショーツくらいは履くよねって話だよね。
わかってる。テキトーな理由並べても、研磨くんにはすぐに、見抜かれる。
「もっと重いかと思ったら軽いし。ほんと気持ちいい。
この格好でルームサービスとか、なんか…」
『バブリーだね』
「…ふ 笑」
『んふっ 笑』
2人ともわけあって衣類は汗なりなんなりで汚れていて。
だからバスローブを着てるだけなんだけど。
側から見たらきっとこの部屋で気取ってるみたいな状況で。
おかしくて笑えた。