第3章 くじら
ー研磨sideー
「研磨さーん!」
ご飯を食べ終えて水を飲んだところで、リエーフが戻ってきた。
「調理室の前に人が集まってて…」
「………」
「月島と穂波ちゃんが抱き合って見つめあってるんす!ずるい!」
「…そっか。あの2人仲良いから」
話してる内容は、そうだな…
時折月島がからかい半分、
でも本音の誉め言葉をいって穂波を赤面させたりしながら。
宮城で会う日のこととか?
夏休みの間に1週間ほど行くって言ってた。
この合宿が終わってから。
だから大体そんなとこだろ。
スノボのときのこともあって、両親に一度顔見せなきゃって言ってたし。
宮城から帰ってきたらすぐ、カリフォルニアに行っちゃうからな。
だから、今年の夏休みはあんま会えない。
でも月末の夏祭りは、一緒に行く約束してる。
穂波ん家でのBBQも。
…今行くとめんどくさそうだな。
2人が、じゃなくて周りが。
「リエーフごめん、これ持ってってくれない?」
「え!研磨さん行かないんすか!止めなくていいんすか!」
「…リエーフと穂波がハグしてそのまま会話してるのも何度もみてるけど。
っていうかリエーフが抱き上げてるのも最近また結構見てるけど。
…あとおでことかほっぺとかにたまにキスしてるよね、最近」
「け、けんまさん……」
「それ止めていいなら、まぁ止めに行ってもいいよ」
「あ、や!別に月島もいやらしい感じじゃないから、止めなくていいと思います!
じゃー食器持って行きますねー!
なーんか研磨さんがそんな感じだと俺も別にもういっかーって感じになるなー」
最後のは独り言なのか何なのか、大きな声で言いながら歩いて行く。
…体育館のとこで時間になるまでゲームしよっと。