第9章 aims
ー研磨sideー
「ん、そんなのわかってるし気にしてないから」
抱きついてきたのは穂波だし、
押し付けられただろうなとは思う。ていうかハグってそうなっちゃうし。
で、翔陽は暴れたから、ちょっとむにむにししたりしたんだろうな。
『ごめんね、翔陽くん。わたしそんなつもりじゃ…』
「いやっ 穂波ちゃんが謝るとこじゃっ… おっおれ…」
『でもね、翔陽くんに妬きもちやいたのわたし。
だけどね、だからどうとかじゃないからね、これからもいつも通りで』
「あっうん! …え、ヤキモチ?」
『翔陽くんは翔陽くんのままで』
「へ? あ、うん!」
よくわかんないけど、まぁ、その場がおさまって。
おれはもう、穂波が欲しくて仕方ないから、
校門のところでみんなと分かれて、タクシーで帰ることにした。
クロや赤葦たちにはいつでも会えるし。
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タクシーの後部座席での時間は拷問みたいだった。
電車とかはまだ、なんか。
密室感少ないし、へーきだけど。
タクシーでくっついてられるのに、ていうか触り放題なのにできないって拷問だ。
だから。
早くても40分くらい?でも混んでて40分じゃ到底つきそうになくって、
途中でっていうか乗って結構すぐに行き先を変えてもらった。
で、今、ホテルにチェックインしたとこ。
どこでもいい…ってわけにもいかなくて
だって穂波とホテル行くのとか初めてだし、
タクシーの運転手に聞いて連れてきてもらった。
おれ、大学生にみられてないどころか高校生だと思ってたみたいで、
冗談で最初に言ったところに空室あるか電話しようとしたら心配された。払えるの?って。
千代田区の、ホテルなんだけど。
いわゆる一流ホテルってやつだったからなんか… まぁ、さくっと入れた。
場合によっては怪訝そうにされるんろうけどけど、
多分、フロントの人にはおれがお金払えるってわかるみたい。よくわかんないけど。
ここまでするってほんと、あれ。
おれ、欲情してる。
穂波が妬いたヤキモチに。