第9章 aims

ー月島sideー







「あれ！光来さんのチームメイトのすっげーMB！なんだっけ…ふ、ふどうの…」

「不動の昼神」

「そう！昼神さん！昼神さんと行ったんだろ！？
なんつーか穂波ちゃんって知らないうちに他校の色んな人と知り合ってるよなー！！」






「「「………」」」









いや、君が言うことじゃないでしょ。











『幸郎くん？　うん、幸郎くんと行ってきたよ』

「ほぇー！いいなー！昼神さんはバレー続けてんの？」

『ううん、続けてないみたいだよ』










あの人、相当上手いのに。
続けないんだ。

っていうか、一緒に登山とか…
登山は別にしたくないけど穂波さんとならしたいなとか思う…

ずるい。











「どうだった？ニコニコしてるイメージあるけどどんな人なの！？」

『幸郎くんはね… 幸郎くんは幸郎くんだよ』

「………」

「ﾌﾞﾊｯ… もしかして穂波さん全部それで済ませる気？」

『…だって、それが一番しっくりくるから』

「端折りすぎでしょ」

「…おぉ　でも俺なんかわかるぞ！　昼神さんは昼神さんなんだよな！」

「いやでも君、今どんな人なの？ってわかんないから聞いたんデショ。
それで今の返事でどうわかるわけ？」

「…っ　わかるもんはわかるんだよ、な、研磨！」

「え……」

「な！研磨！」

「いや… んー　わかんなくも…ない、けど」








へぇ、わかんなくもないんだ。








「その調子なら日向に久しぶりに会っても同じこと言われそうだね」

「でも、日向にあったらみんな同じこと言いそう」

「あー… 確かに。笑　“日向どうだった？元気してた？”
“あー、日向は相変わらず！日向は日向だったよ” みたいな感じ、なりそう」

「おぉ！それいいな！それ言われてー！」

「成長してたぞ、上手くなってたぞ、って言われたくないのかよお前は」

「それは！言われたいけどもなんか！」

「背が伸びてたよ〜とかね　笑」

「月島くん！悪意を感じます！」

「まぁ、実際あるから感じてもおかしくないと思うけど」

「ぐぬぬぬ……」






あー、馬鹿馬鹿しい。
馬鹿馬鹿しい、単細胞組との日々もあと半年もないんだなと思うと、
それなりに感慨深い。