第9章 aims
ー穂波sideー
夜久さんはちょっと来れなかったけど、
クロさん海さん、それから山本くん福永くん研磨くん。それに京治くん。
懐かしい顔ぶれでここ、音駒の体育館に来れた。
わたしまでこの場に混ぜてもらえたことがとても嬉しい。
研磨くんのとこに翔陽くんが走ってきて。
あっちゃんはじめ、去年知り合ったマネちゃんズがわたしのとこに来てくれる。
のんちゃんは調理室だって。 あー懐かしすぎる。
あとでお皿洗うの手伝いたいなぁ、いいかなぁ。
差し入れは、アイスクリーム。
みんなでお金を出し合って、スーパーで爆買いした。
あ!溶けちゃう!
そう思った頃には犬岡くんと芝山くんがアイスの入った保冷バッグを両手に、
たたた!と走っていくのが見えた。
愛おしい後ろ姿。
みんなのことをこうしてここで見れるのはわたしは今日が最後だ。
しっかり目に焼き付けておこう。 音駒×バレー部を。
プレーしていなくても、ここにいる姿を。
マネちゃんたちが、昼食の用意手伝わなきゃ!まだ帰らないでくださいね!
などと可愛いことを言いながら走って行って、その先に蛍くんを見つけた。
研磨くんに一言伝えて、蛍くんの元へ。
『けーいくんっ 見つけたぁ』
自分の口から溢れでた言葉に、上野で会った時のことがフラッシュバックした。
うわぁ、なんか今すっごい、ブワァって思い出したなって思いながら蛍くんにとすっと抱きつく。
そう、上野で、蛍くんと過ごした時間はとっても、楽しかったなぁと思いながら。