第8章 そういえば
ー研磨sideー
大学で昼食をカロリーメイトとかで済ませてると、
弁当とか差し入れを持ってくる… 女子? 女の人がちょこちょこと来るようになった。
断るんだけど、パン屋とかで買ってきた差し入れならまだしも、手作り弁当とか、なんていうか。
それはもらってあげなよ、とか言ってくる人もいる。
作ったやつ捨てる気持ちも考えろよ〜とかって。
ちょっと、親しくなったトモダチとかに言われる。
じゃあ、俺が食べるからって貰ってあげて、って言ったら、
ほんとお前、冷淡! せめて、彼女いますアピールしろよ!って。
彼女がいるからは、理由にはならない。
彼女がいてもいなくてもいらないものはいらない。
だから、じゃないけど。
普通に穂波の弁当食べたいし。
毎日作ってとかじゃないし、夏休みまでの間あとちょっとだけど。
弁当、お願いしてみた。
「作れる日は、でいいから」
『うん! でも作りたい。 作れる日は全部、作りたい。いい?』
こっちの単なる欲求と甘えなのに。
こんな風に言ってくるから。
なんか… まぁいっか、全部丸く収まってる、ってなる。いつも。
『学食は相変わらず行ってないの?』
「…ん、なんか。 そんな変な人はいないんだけど」
『………』
「だからかな… 変な人じゃない人に寄って来られると、キツい」
『…笑』
翔陽とかリエーフとか、虎とか福永とか。
そういうんじゃない人にぐいぐい来られるのしんどい。
しかも、一緒に食べよう?とか ここいいですか?とか。
そういうこと言ってくるのが女の人が多いからそれも、しんどい。
…とはいえ、大学自体はおもしろい。
全体的な空気が静かだし、出会う人も今言ったようなパターンを除けばいい感じだと思う。
そんな多くはないけど、数人トモダチはできた。
穂波と住んでることとか、
穂波がアメリカ行くこととかその数人には話した。