第8章 そういえば
ー穂波sideー
「…あ、穂波はしんどくなかったよ」
変な人、だからだろうか。笑
「穂波は別枠だから。 全然違う」
『…ん 笑』
変の度合いが、だろうか。笑
「…?」
『ううん、なんでもないよ。ちょっと一人で笑っててごめん』
「…ん、なんでもないならいいけど。この大葉は庭の?」
『うん、プランターの』
庭の一角を家庭菜園スペースにもできるね、って大家さんも言ってたけど。
わたしはすぐに一旦ここを離れるし。
帰ってきてからでいいかってなった。
でもバジルとか大葉とか。
ここ出る前にさっと引っこ抜いて片付けやすいものだけ、
プランターで小さく育ててる。
それ以外は、もともとある木と雑草と、
あと地植えした宿り根のハーブがいくつか。
「あ、そうだ。さっき犬岡から連絡きてた」
『犬岡くん!』
その名前を聞いただけで、嬉しくなる。
「7月19日から三日間音駒で合同合宿だって。翔陽たちも来るって」
『3日間…』
「翔陽たちはまだ夏休みじゃないだろうけど。海の日とか?3連休になってる」
『そっか、どこかで行けるといいな』
「…ん、差し入れくらいできたらいいね。また予定合わせよ」
『うん!』
嬉しいな、烏野も梟谷もみんなみんな。
今の一年生のことは知らないけど…
今3年生なのは、わたしがバレー部のお手伝いをするようになった時の1年生で。
やっぱり特別な想いがある。 アメリカ行く前に会えるの、嬉しい!