第8章 そういえば
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今朝は和食。
昨日研磨くんが車の中で、穂波の味噌汁飲みたい…って言ってたから。
…ってほぼ毎日、どこかでお味噌汁は作ってるから毎日飲んでるんだけど。
そんなこと言われると少しでも早く、飲んでもらいたくなってしまう。
土鍋ご飯、鮭の塩焼き、しらすとピーマンの和物、大葉入りの卵焼き、
切り干し大根とツナの酢の物、モロヘイヤのお味噌汁、糠漬け(茄子、にんじん)、梅干し。
そういえば、お茶碗は研磨くんのお父さんと見に行った個展で購入した。
くし目の模様が入っていて、グレーがかってるけど鮮やかな水色みたいな。
艶は抑えられていて、マットな質感。それを2個と、来客用に色違いの白いものを2つ。
白い方はとこどころに鉄点がみられて、それがそばかすみたいでとてもかわいくて気に入ってる。
でもサイズはわたしと研磨くんにちょうどいいサイズだから。
大きめのお茶碗もぼんやりと、探し続けてる。
器っていくらでも欲しくなるけど…
でも、その衝動を抑えて、ゆっくり吟味していくのもまた、楽しい。
…とはいえ。
とはいえだ、
「…うま。 味噌汁うまい」
シャワーを浴びてすっきりした研磨くんはお味噌汁を啜って、魔法の言葉を呟く。
その度にわたしの顔はどうしようもなく、綻んでしまう。
「食器増えたよね。2人でいる分には、結構充実してる感じ」
『………』
そう、研磨くんのお父さんと陶器を見ることが楽しすぎて。
そして研磨くんのお父さんも同じように感じてくれたみたいで。
3月末に研磨くんが2人で行ってきてくれる?って言ってくれた個展の他に、
あれから3回、研磨くんのお父さんと出かけた。
目的地は全て、陶器関係。
春には益子の陶器市へ。
それから表参道付近でギャラリーや器屋さん巡りを。
そして吉祥寺のセレクトショップにも行った。
そしてそのたび、やはりどうしても… 何かを手にして帰ってしまった。
必要なものなら、おれが出すから、と研磨くんに言われても躊躇してしまう。
陶器というのは実用性もありながら、
好きで買う側としては娯楽、趣味、に限りなく近い。