第8章 そういえば
*裏(〜P429)
ー穂波sideー
足を下ろしてベッドに座る研磨くんに跨るように。
膝を片方あげた体勢で、何度も何度もキスをする。
一緒に暮らすようになって、
身体を重ねることは格段に増えて。
でも何一つ薄まらない。
今までと変わらない、どころか濃ゆくなるというか。
愛おしさも気持ちよさも、
物足りなさも、それとは矛盾してながらも確かに感じる満足感も。
わたしを包む。飲み込む。
お腹や腰に触れていた研磨くんの指は滑らかに上へ登って来て。
布の下に滑り込んだかと思ったら、そのままトップスを脱がされた。
それからはらりと、ブラも剥がされる。
「…綺麗」
満足そうに目を細め、わたしの胸を眺めてそう呟く。
それから胸のいろんなところキスが落とされる。
両手で揉みながら、唇も舌先も使って愛でるように胸に触れる。
『…ん… はぁ……』
「…ねぇ、穂波」
『……ん…っ……』
片手をショートパンツの裾に潜り込んできて
そのままショーツの内側に研磨くんの指が触れる
割れ目をすすっとなぞるように。
ぴちゃ、って小さく音が鳴る。
「もういいかな、おれもうこんな」
『…ん …っほしい』
研磨くんのがもう、しっかり硬いことなんて。
呼ばれた時からわかってる。
でも、うん。
その時より今の方がもっと硬いことも、わかってる。
欲しい、いつだって研磨くんが欲しい。
ウエストに手をかけするりとショートパンツは脱げ落ちて。
研磨くんは昨晩のまま裸だから、油断するとこのまま迎え入れそうになる。
研磨くんは手を伸ばしてヘッドボードの上の箱から最後の一包を取って、
色っぽく慣れた手つきで準備を整えた。
コンドームを取って開けて着ける…
それだけの動作がこんなに色っぽいものだから。
困ってしまう。
欲しい。
その衝動のままに腰を沈めていけば、
「…ん」
『んぁ……』
お互いの身体が悦ぶのを、身体で感じる。