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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第8章 そういえば


ー穂波sideー







最近、寝る前に研磨くんにべったりしてしまう。

なんか、寂しい。






そして今日は蛍のノスタルジー効果と約束を果たしたあとのそれが相まって、
割増で、寂しい。







今、行くなって言われたら。
揺らぐ。

そういう脆さを自分の中に感じる。

日中動いてる時は全くなんだけど、夜、ベッドで研磨くんが一緒になると。
とたんにそれが、顔を出す。

研磨くんより先にお布団に入ることが多いから、
そんな日々の中で一緒にこうなると、べったりしちゃう。

あと、そう。
寝ているわたしに研磨くんが触れて、
寝ぼけたままだったり、ぱちっと目が覚めたりはいろいろだけど、
そのまま身体を重ねることも多い。

そういう時も、何だか終始、べったりしちゃう。

寂しいな、の一言は。
言葉にしてしまうと独り立ちして勝手に膨らんで行ってしまいそうな気がして言えない。








「…ん、穂波、あのさ」

『ん?』

「…んーと すきだよ」

『…ん』

「さみしいの?」

『え?』

「…わかんないけど なんか…最近甘えてくるの、かわいいなって」

『………』

「全部すきだよ、朝になったらけろっとしてるのもすき。
でももしケロッとしてなくてもすき」

『うん。 なんだろ… 不安はない。 心配もない。 わたし達は大丈夫。
それはね、空元気とかじゃなくて、ただただそう思う。
でもね、寂しいは寂しい。 寂しくないは、言えない。 それは嘘。
わたし、寂しい。 だから、離れたくない』

「…ん、おれもだよ。一緒」

『…ん』

「最強はきっと寂しくない、離れたくないってことじゃない。
多分穂波の言ってた通り。 弱点とか痛みじゃないけど、そういうのも含めて最強」

『…ん』

「んーとだから… いっぱい甘えていいよ」

『…ん、じゃあ甘える』







たくさんキスをして。
たくさんわたしに触って。
指だけじゃいや。
舌で、鼻先で、唇で、爪で、歯で。 肌で。

わたしに触れて。
たくさん、たくさん。

もっともっと。






腕を研磨くんの首に絡め顔を傾ければ、
願いを言葉にする前に、研磨くんは全部理解して。






望み通りに。

ううん、それ以上にたっぷりとそしてちょうどよく。

わたしに触れた。







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