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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第8章 そういえば


ー穂波sideー







約束していたことが無事に、楽しく、
そして幸せいっぱいに終わって。

なんだか、ほくほくするのと同時に、ちょっと寂しい。







暗い家に2人で帰ってきて、
じっとりと汗ばんだ身体をシャワーですっきりとさせて。
今は寝室に向かう前に、お水飲んだり。昆布を水に浸けておいたり。
小さな明かりを一つだけつけてダイニングでごそごそ。

ここに越してきて3ヶ月が経った。
日々、というのは本当にすごくって。
日常っていうのは本当にすごくって。

意図せずともわたしたちの家が少しずつ出来上がってきてる。
リズム、空気感、そういうもの。

わたしが車校にいってても。行かなくなっても。
連休があっても。全部それが、日常に溶けていくような感じがある。
日々を、毎日を一緒に過ごすってすごいナ、って、ほんとに。





そしてわたしがここに住むのはとりあえずあと、2ヶ月かしかない。









3月の終わり、うちの親と研磨くんの両親を招待した。
まだそんなに食器が揃っていないけど、取り皿はあるし。
あれこれ限られた食器の配分を考えて手料理を用意した。

使い捨てはやだな、と思って、ちぐはぐだけど… って思っていたら、
研磨くんのご両親から素敵な大皿をいただいた。
絵付きの少し深さのある大皿。貫入も入っていて、地の色が活きていて。
美術館へお2人で行ったあと、作家さんの個展へ行ってきたんだけど… って。






──「研磨が、自分で選ぶからいいってね、引っ越しが決まった段階でいろいろ突っぱねてきたんだけど…
でもこの深皿みたら、絶対穂波ちゃん好きだよねって、私達で意見が一致しちゃって。買って帰らずにはいられなかったの。 
引越し祝いと、あと全然、負担に感じないで欲しいんだけど研磨のことよろしくねって気持ち」

「ちょっと母さん、そういうの言わなくていいから。どう考えても負担になるでしょ」

『そんなことない、何がどう負担かもわかんないくらい嬉しい。ありがとうございます』








研磨くんのご両親から、研磨くんのことよろしくねって言われるのって。
今までも何度かあったけど、この時は改めて沁み入ってきた。

それから、









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