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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第8章 そういえば





















お会計を済ませお店を後にし、蛍を見に秩父ミューズパークへ。
無事駐車もできて。

ふぅ…









「運転お疲れさま。ありがとう」

『こちらこそわたしに命を預けてくれてありがとう』

「…笑」

「ははっ そうだね、穂波ちゃんになら命を預けることも賭けることも容易いかな」

「…赤葦」

『………』








まっ また京治くんは、すらすらとそういうすごいこと言う。
京治くんはほんとに、こういうとこ反則です。
いつまでたったも退場のカードは切らないけど、反則…










『…よ、よし。じゃあ… 歩こっか』








蛍の見えるところまで、夜の散歩。








「手、繋ぐ?」

『…ん』









いつもはすっと繋ぐし、
言葉にするとしても手、繋ご。だ。

研磨くんが繋ぐ?わざわざ聞いてきたのは、
きっと京治くんも含めて3人で。

去年の夏の合宿の時のように、と言う意味が含まれてるのだな、とわかった。










夏の夜。
場所は違えど、時も違えど。
同じように流れる何かがある。

湿度、音、匂い、温度感。

でもそれだけじゃない何か。









研磨くんと右手を、
京治くんと左手を繋げば。










その何かと化学反応を起こして、
去年の合宿のあの、時間が。

ぶわぁぁと鮮明に蘇る。

色として。絵として。体感として。










「あぁ… なんかすごい」

『思い起こされた』

「………」

「…あ、蛍」










まだ、川沿いの道じゃないのだけど。
彷徨う1匹の蛍がゆらゆらとわたしたちの少し前を横切った。












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