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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第8章 そういえば


ー穂波sideー







あの、電気屋さんでのやりとりのあと、研磨くんは少し考えた。
そして、大会で使う名前は今まで通り こけ で。

インタビューでは変わらず顔は伏せて。

…とはいえ、この間のワールドグランプリはドームでの開催だったから。
普通に観客がいて、研磨くんがちょこんとそこに座ってて。









まぁ… だからその。
公式では公開がなくても。

研磨くんのあの容姿です。あの空気感です。
かわいい!かっこいい!のオンパレードが、
勝手に撮られた写真と共にSNS始めネットで拡散され始めている。

有名税ってやつにはいるのかな。
お兄ちゃんとか周平はまぁ、致し方ないと思うけど。
研磨くんはまだアマチュアなのにそんな風に顔を勝手に公開するのっていいのかな、とかちょっと疑問には思った。






大会があったのが先々週のことで。
その後数日間は研磨くん、ため息が多かった。

拡散されるということの、対象になったことに。
それがまさかの、顔写真だったことに。

でも研磨くんは目的があったから、そっちに勤しんで、
何か吹っ切れたわけ…ではまだなさそうなんだけど、
まぁ言ってもそんな… 狭い世界だし… そんな人口いる世界じゃないし… みたいな感じで、
うん、ため息はなくなった。

大学でできたお友達とかも、SNSで目にしたよ、とは話してくるけど、
別段変化がないらしいことも大きいだろうし。
家の周りで接点のある人たちはおじいちゃんおばあちゃん、
おじさんおばさんが圧倒的に多いからその話題は全くないことも、ほっとする要因なのかなって。

そしてもともと、交友関係を広げてはいない研磨くんだから。

お金を手にしたからって連絡してくる昔の友達、なんているわけなくて。
音駒のバレー部や翔陽くん始め、みんないつも通りだ。
静かなわけでもなく、いつも通りに賑やかに各々連絡をくれた。









変化は必ず起きるものだから。









その中に流れる変わらないもの、に
知らず知らずのうちに人は救われたり、癒されることが少ないくないと思う。











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