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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第8章 そういえば


ー赤葦sideー






「そういえば、その日のこと……」







──あの日は、あのあと丸ビルでぶらぶらと歩いて。
何か目的があるわけでもないが、2人で店に入ったり入らなかったりして過ごした。
まるで本当に恋人同士のような過ごし方だな…と思ったが、
ぎこちなくなってしまいそうなので、あまり考えないようにした。




穂波ちゃんが繋いでいた手をすっと離して、
吸い寄せられるように入っていったその店はMARKS & WEBという店で。
化粧品や生活用品が多すぎず、限られたラインナップで置かれているような店だった。

穂波ちゃんが見ていたのは、タオル。

孤爪に、一緒に暮らそうと言われたと、ランチの時に話していた。
新生活に向けて、タオルとか見ているのだな、と思いつつ。
店にある商品に目を配ると、ゼラニウム、の文字が目に入った。

穂波ちゃんの好きな香りだ。いつも髪の毛からふっと香る。





俺が商品をよーく見ている姿を見ていいタイミングだと思ったのか、
タオルのとこから俺のとこに来た穂波ちゃんは、ちょっとトイレに行ってくるね、と店を離れた。

そのタイミングで店のスタッフに相談し、
どういうものがつけやすいか、使いやすいか、などを考えた末、
キャンドルとバスソルト、それからハーバルウォーターを購入した。

この香りが好き、という情報は伝えていたので、
優しく香るから、香り自体の好みはおそらくばっちしだろう。
ただ手や口元に使うものは香りなしが好きな人も多いから、ハンドクリームなどは避けて。
顔に塗るものも日頃使ってるものがあるだろうから、気軽に使いやすいのは身体に塗るもの。
でも身体につけるものにはゼラニウムの香りがないので、化粧水はどうか。
本来は顔につけるものだが、身体にかけてもらっても一向に構わない。
海のあとのシャワーとかでさっとスプレーして保湿できていいですよ、とのことで。

あとは、キャンドルとバスソルト。
試しに使ってみやすい、定番のギフトだと、言っていた。

スタッフの親切且つ迅速な対応により、
穂波ちゃんが帰ってくるまでに会計は済ませることができ、
その上穂波ちゃんがまた商品を見ている間にラッピングしたものをこっそりと渡してくれた。

とても良い接客を受けた、と感じた。

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