第7章 su casa
ー穂波sideー
きっとわたしたちは、わたしたちで。
そして何より研磨くんが研磨くんだから。
毎日、時を忘れて、とか。
依存しあったり、本当に溺れたりとかはきっとない。
ない、と言い切るのは浅はかかもしれない、
いつだってそうなりうることなのかもしれない。
でもなんだろう、今しかないような気がするこの、
いくらでも時間があるようなときを、
お互いに分け合うように、溶かし合うように身体を重ねた。
この部屋で、このベッドで。
これからどれだけ、こうしていくのかな。
目が覚める隣にいたりいなかったり。
でもどちらかは必ずどちらかの寝顔を見て。
同棲ってどんなだろう。
今日初めて丸一日をこの家の周りで過ごして、ふと考える。
研磨くんは分担制度とかそういう、決め事を考えようともしてくれた。
でもきっと、今まで通り。
正直に、無理せずいれば大丈夫。
無理が生じそうになっているなら、その時ちゃんと向き合う。
それからやっぱり、お互いを大事に。
完全に溶けてしまわぬように。
幼い頃から海に通ってるから、
お母さんの意向でありがたいことにもう、脱毛は… 済んでいて。
でもそういう、日々の中のこと。
明け透けにしすぎちゃいけない、お互いのプライベートなことや、いろいろ。
距離感とか大事にしながら、わたしたちの家を。
建物だけじゃない、空間みたいなものを、育てていけたらいいな。
…ってそう、何度も思うけど、今は短期間のことで。
でもそうだな…