第7章 su casa
ー穂波sideー
研磨くんのゲーム部屋には座り心地の良さそうな椅子の他に、
黒い、2人がけのソファがあって。
ちょっと、高かったけどこれが良かったから買った、と言ってた。
スピーカーやゲームの色々よりこっちを選んだんだなぁ、
いろんな優先順位ってあるよねぇ、とか思ってたら
「穂波と映画観たかったし。これあったらおれがゲームしてるの、みれるでしょ」
って研磨くんが言ったものだから、思考がついていかなくてぽかんとしてしまった。
研磨くんのゲーム部屋にわたしのことを少しでも考えて選ばれた要素が、あるなんて。
『恐悦至極にございます……』
とか使ったことのない言葉を口にしてた。
「…え? 笑」
『え?』
「…いやなんでもない 笑 穂波、おれのゲームしてる指見るのすきとかいうけど、
それはこたつのとことかどこでもみれるし。
穂波、映像がきれいなのみるのもすきだし、そういうの、スクリーンで観たいとか…言ってなかったっけ」
『…あ、うん。きれいだなぁっていっつも見てた。わくわくして。どっちが現実かわかんなくなって。
研磨くんの操作する子は動きが滑らかで…… 研磨くんがするゲーム、だいすき』
「…ん、よかった。 …何観よっか」
とりあえずNetflix開いて。
ころころやってると、新作のところにディカプリオを発見。
すきだ、この俳優さん。
いろいろがかっこいい。
あとキアヌも。
『ウルフオブウォールストリート… なんの話かな』
「…なんだろ、おれも気になるかも」
詳細画面を開いて。
それからおもしろそうだね、となってそのまま観ることに。
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どっひゃーーー
すごかった。いろいろ、いろいろが、すごかったし、
笑えたし圧倒的だったし、なにより、
「…ディカプリオ? すごいね、なんか、ベルフォートだったっていうか」
『うんうん、すごかった、ね』
「思いの外長かったのに… 普通に観ちゃった」
『うん』
とにかくやっぱり、すごかった。