第7章 su casa
ー穂波sideー
一緒にご飯食べて、一緒にお皿洗って。
リビングに移動して、
お茶を飲みながら、洗濯物をたたむ。
洗濯カゴに入れといてくれたから、それをこっちに持ってきて。
そんなにいっぱいないから、すぐ、たためる。
「ねぇ穂波」
『ん?』
「分担とかした方がいい?」
『ぶんたん…?』
うわぁ…文旦食べたくなっちゃった。
今日おばあちゃんたちに教えてもらった八百屋さんへ、明日行ってみよう。
文旦、あるかなぁ〜
「………何考えてるの?」
『…んー?明日八百屋さん行ってみようって思って』
「…ふ なんで?」
『文旦、食べたいなって。時期的にはあるはずだけど、あるといいなぁって』
「…ん 笑 あるといいね」
『うん。 …?』
「家のことさ、分担した方がいいかな?」
『…はっ! そっか分担… 研磨くんはしたいの?』
「…したいわけじゃないけど、したくないわけでもない。
なんか、穂波にやらせすぎちゃうかな、とか思うだけ」
『うーん… 別にやりすぎてもないし、やらないときはやらないし。
なんでもお互い気付いた時にやれたらやる、でいいんじゃないかな。
優先順位はだんだんわかってくるし、それに、』
「……」
『なんかもやっとしたりしたら、言えばいいもんね、って。前話した』
「うん。それならいいんだけど」
『…研磨くんはもやっとしたから言ってくれたの?分担について』
「あぁ、うん、そっか。そうだね、うん」
『研磨くんが、そうだなぁ… 家賃とか光熱費は気にしないで、今は、って言ってくれてるのと一緒で。
今はとりあえずそれについては気にしないで。って言いたいけど』
「……」
『正直なところ、やらせてもらえるのが嬉しいから、ほんと全然、気にしないで。
でも一緒にできるのも嬉しいし、今日みたいに洗濯物取り込んでくれてたりするのも嬉しい。
でもできなくてもわたしは何も思わない。
人に対して思わない分、自分ができない時も、べつに悪びれないっていうか…
今できないや!ま、いっか!死なないし! みたいな感じ』
「…ん 笑」
『だから、普通でいいよ。わたしも知ってる。
研磨くんがわたしやその場の状況を見てさりげなくいろいろしてくれること』