第7章 su casa
「…ん」
『ん…』
気を抜くとすぐ、欲しくなる。
今までも穂波ん家は特に自由だったとはいえ、
それでも実家っていう縛りがあったんだな、って気付く。
やめよう、と思わないと、
いつでもどこでもくっついていられる。くっついてちゃいそうになる。
『ここで、ゲームするの?』
「…うん、ここでもできる。 基本は隣でする」
隣のゲーム部屋。
これからもっと、欲しいのがある。
発売されてくのは当たり前に買えるけどそうじゃなくて…
昔のいろいろ…欲しい。
「…こっちで …んーと」
まだふわっとしてるから言えてない… 穂波は別に聞いてこないし…
始める手筈が整ってからでいいかなとか… 思うけど…
でもこんなにパソコンとモニターが並んでて、
でもまだ使ってるのはアキくんにもらったrazerのゲーミングPCと、
普通〜にネットで買い物とかするためにiMac一台だけなんて。
説明がないと普通に謎だし、なんかただカッコつけてるみたいでダサい……
でもまだ未定なことで…
『こっちでは並行して色々できるんだね。いっぱいモニターあるもんね』
「…ん」
別に、iPhoneでもチェックできるし、取り引きもできるはできるけど。
そう、こっちにアキくんからのパソコンも置いたのは、
チャート表示させながらゲームしたいのもあって。
でも一応空間分けるような感じで工夫してみた。
椅子は3つもともコロコロ付きの座り心地いい同じやつで、
そのまま移動できるように。
株と、ゲームと、あとまぁ…普通に、仕事用っていうか。
まぁ…… いろいろするためのiMac。
『お腹空いてるよね、ご飯仕上げてくる。また、呼びにくるね』
「…ん」
やっぱり穂波はおれのペースを、普通に掴んで。
侵食してこない。 信じてくれてる、感じもする。
そういうのって、よくわかんないけど、
ちょっと引き締まる感じ、ある。
そっか、頑張ろ、じゃないけど。
…まぁ、そんな感じ。