第7章 su casa
ー研磨sideー
「〜〜〜♪」
!
パソコン起動させながらおれ、鼻歌歌ってた。
気付いて一人で驚いた。
バブリーからのラブリーって曲に、
その歌をすごい楽しそうに歌う穂波の姿におれの脳が溶かされたんだ…
気をつけなきゃ… 穂波の前ならまぁ別にいいけど、クロとかに聞かれたら面倒だ。
気を取り直して…
今から穂波が帰ってくるまで、来週大会があるゲームを少しやり込む。
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扉がノックされる音がした気がしたかと思うと小さく扉が開いて、
穂波がひょこって顔を出した。
目があって、声出しても大丈夫って判断したのか、
『研磨くん、ただいまぁ』
って口が動いた。
ヘッドフォンしてて聞こえなかったけど。
すぐにはずして、おかえりって言って。
「ごめん、携帯見てなかった」
『え、いいよ。研磨くん、まだそこにいる?』
「…?」
『手、洗ってからちょっとお部屋入ってもいい?』
「…あ、うん。いいよ」
『うん!』
そう言って、荷物を部屋にに置いてくる音がして。
ここからだと穂波やおれの部屋の前を通って通じる風呂場まで歩いてく。
遠くなってそれからまた近付いてくる足音が、聞こえる。
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『お邪魔します』
「…ん」
片耳だけヘッドフォンをあてて、ゲームを続けてたんだけど。
キリがいいし、一旦休憩。
操作する手を止めて、ヘッドフォンを下ろして穂波の腰を抱き寄せる。
おれの髪を優しく撫でて、額に穂波の唇が当たる。
そのまま手繰り寄せるように頬に手を伸ばせば、
おれの唇に柔らかく温かくキスが降ってくる。