第7章 su casa
・
・
・
「うん、こわいくらいサイズ丁度いい。部屋にもしっくりくるね」
ラグは寝室に。
ブランケットは大きいから、一つはベッドに。
もう一つは研磨くんの仕事部屋の仮眠用のソファベッドに。
とりあえず、場所を決めた。
『あ、洗濯』
しまうの忘れてたって思って中庭を見ると、もうそこにはなくって。
「ごめん、まだ畳んでないんだけど。とりあえず…」
『研磨くん、ありがとう』
「ううん、普通だから。2人ですることだから」
『うん』
「こちらこそ、ありがと… いろいろやってもらって」
『ううん、全然。やりたいからやってるだけ …そしたら研磨くんわたし、準備して行くね』
「あ、うん。また出る時声かけて」
『うん』
タケノコの火を止めて。
レッスンバッグにタオルとかパウスカートとかもろもろを入れて。
パソコンの部屋で何かしてる研磨くん声をかけてキスをして。
行ってきます、を言う。
今までも嬉しくなってたけど、この家で言う、行ってきますと。
研磨くんが言ってくれる
「行ってらっしゃい」
は、とんでもない浸透圧でわたしの心に身体に幸福感を浸透させる。
駅まで自転車を漕ぎながら、
唇から歌がこぼれてくる
『oh,baby lovely lovely こんな素敵なデ〜イズ♪』
研磨くんと完全な恋に落ちる。
いつかじゃなくて、毎日毎日、更新するように今まで落ちてきた。
そしてこれからも、この家で、毎日毎日。
きっと、何度でも恋に落ちる。
研磨くんに。 研磨くんだけ、に。
世界に向かってハローなんつって手を振ちゃうよ、わたしも。
研磨くんがわたしの恋人でいてくれるだけで、
わたしの毎日は機嫌無敵だ。
ここにいてもどこにいても。