• テキストサイズ

【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第7章 su casa










「…行ってみたら、って思うけど。穂波、ほんと北さん好きだよね」

『うん。北さん、すき』

「…ふ 何を迷ってるの? 連休ってバイトとかあるの」









研磨くんのこういうところがずるいと思う。

すっごく鋭いし、基本わたしの考えてること何でもお見通しだ。
助け舟を出してくれることもいっぱいある。

けどこうして時折、すごい、ストレートに聞いてくる。
本当にわかんない、ただただ疑問、といった感じで。










『…ううん、ただ研磨くんも大学休みだからなって。 …思っただけ』

「………」

『………』









恥ずかしくなるし、なんか自分がすごく子どもじみてる気がしてくる。










「…あ、そっか。 けど行ってきたらいいと思うおれは」

『どうして?』

「んー、なんとなく。来年からはしばらくできない体験だし」

『…ん』

「北さんの話聞きたいし、穂波から」

『…ん』

「あと、おれ思ったんだけど。お互いの長期休みがうまく使えたら、結構会えるよね。
日本は春休みが長いでしょ。アメリカは夏休みがながいでしょ。
おれバイトとかしないし、だからきっと、結構会える。冬を超えたら」

『…ん。 冬を、超えたら』

「…冬超えてないかも。2月?」

『…でももう暦の上では春』









冬を超えたら、研磨くんに会えるって。
なんかすごいご褒美みたい。

まるで、スナフキンを待つムーミンの気持ちだ。

ムーミンは、冬の間眠っているけれど。









『…なんか、うん。お礼と一緒に信介さんと北さんに聞いてみることにする』

「うん、それがいいよ」

『兵庫に行くなら……』

「…?」

『大阪で民博にも行きたいなぁ』

「民博?」

『国立民族学博物館。太陽の塔があるとこにあるの』

「…へぇ、すきなの?」

『うん。いつか研磨くんとも行きたいな』

「うん」

『蛍くんもいつかすきな人と行けたらって言ってたなぁ』

「………」









…蛍くんのすきな人? ん? それって今思うと…









「…どんな会話をしたの。 なんか… ちょっとクロたちの言ってる意味を理解した気がする」












/ 1061ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp