第7章 su casa
*裏(〜P370)
ー穂波sideー
「穂波…」
研磨くんの腕に額をすりすりしていた。
名前を呼ぶ声に顔をあげると、
優しい優しい、研磨くんの瞳がわたしを捕らえる。
『研磨くん…』
どちらともなく唇を重ねる。
触れるだけ… 何度も何度も角度を変えてしてるうちに、
わたしは首に腕を絡め、研磨くんはわたしの髪を撫で、頬に手を添える。
それから隣り合っていた研磨くんはわたしの上に、くる。
「…すき」
『うん。わたしも、だいすき』
「…ん」
甘い甘いキスを何度も何度も。
パジャマのボタンが一つずつ、上から外されて。
露わになった肌に研磨くんの指が、舌が、唇が、鼻先が、触れる。
這うように、撫でるように、味わうように。
「穂波はおれの。おれだけの。
おれの家にいる穂波。おれらの、寝る部屋」
そんなことを呟いて、キャミソールの肩紐をずらしながら、肩に甘く吸い付いた。
『…んッ』
キャミソールの上から研磨くんの手のひらが胸を包み込む。
ぷくりと立った先端を親指で擦りながら、弾きながら、優しく触れる。
片手だけだったのが両手になって、
揉み上げるように、寄せるように、なんどもなんども手を動かす。
『…っは……ん……』
住宅地のうちでは、あまり気にすることなく出る声も。
何故だか自然の中では逆に… 躊躇ってしまうのだ。
何故だかはわからない。
「…声、我慢してるの? 穂波の声、すきなのに」
『…ん 我慢してない……』
いつもそんな… 大きな声とか… 男の人を唆るような声… 出せないし…
ただ…いつも勝手に溢れる声が、何故かこの自然特有の静けさの中では詰まるんだ。
なぜだか、勝手に。 だから我慢は、してない。