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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第7章 su casa


ー研磨sideー







新しい寝室。
新しいベッド。
新しいマットレス。
新しい枕。
新しい布団。
新しいシーツ。








新しいものに囲まれながら
いつもの穂波の体温が、柔らかさがおれを包む。








「静かなようで静かじゃない」

『…? あ、うん、ね。自然って饒舌だよね』










車の音、よくわからないけど聞こえる気がする生活音、そういうのはないけど。

川の音。風の音。虫の声。
何かはわかんないけど常に音が流れてる感じがする。








『夏や秋はもっと、賑やかだろうね。虫たちが』

「…あぁ」








ゲーム部屋と仕事部屋は防音仕様に壁と床に手を加えた。
…あ、業者に頼んで。

けど、次からはもし時間とかいろいろ調子よければ、
福永とか呼んで、自分たちでやるのもいいなって思った。
そういう、素人でもできることなら。

…ざっくりとしたイメージだけど。床の張り替えとかならできそうじゃない?








『虫の声が大きいと… あ、なんでもない』

「…なに?」

『なんでもないよ』

「…なに?」

『妙に静かになるよね』

「…?」

『研磨くんはいつも基本そうだから、そうなると思った』

「………」

『いろんな音があるけど、夜の虫の声って、なんか、わたしは。静かになってしまう』

「………」

『聞いてるのはこっちなはずなのに、聞かれてるような気がしてくる』

「…聞かれちゃだめなの?」

『ううん、そういうわけじゃないんだけど。なんか。そんな気になるの』









そう言って身体をこっちに倒して、おれの腕にするすると腕を絡める。








…引越しって疲れる。

もの、もの、ものだ。

そんなに多くを持とうとは思わないけど、…ゲーム以外は…
でもそれでもそれなりに欲しいし、それなりにある。









でも、抱きたいな。穂波のこと。
普通に、普通に、大事に、抱きたい。










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