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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第7章 su casa


ー穂波sideー






あれからまた結構歩いた。
川沿いの道は緑も豊かで涼しかった。

まだ空っぽの家に戻って、
水筒に残ってるお茶をまた2人で飲んで。

研磨くんはリュックの中から荷物を取り出して、研磨くんの部屋になる部屋に置いた。
わたしはシンク横のスペースにタオルを敷いて、水筒を洗って置いておいた。
今日置いていく荷物は、簡易の掃除セットと、水筒。スポンジ。ブラシ。布巾。

…本当に微々たるものだけど。
なんだかその、まだ食器棚すらないこのダイニングキッチンにある、
洗った水筒ともろもろがあるのが、妙に胸を締め付ける。

始まるんだ、な。

ほんとに始まるんだ。

すぐに渡米するから仮ではあるけど、でも、始まる。





「穂波、そろそろ出よっか」

『うん』

「庭のとこの小屋みたいなとこも見てこ」

『うん』





裏庭に、小屋みたいなのがある。
さっき家の中をとりあえず見て回った時は小屋の鍵を持ってなくて、後でいっかってなった。

普通に物置としても使えるだろうし、小さな離れとしてちょっとしたスペースにもできるだろう。




家の戸締りを済ませ、軽くなった鞄を持って裏庭へ回る。







『わぁ… かわいらしい小屋』

「ね、使えそうだよね。サーフボードとか置ける?」






10畳の和室と3畳の小部屋に押し入れ。
その奥にサンルームのようなウッドデッキのような。でも屋根も壁もついたスペースがある。
あとから増築したんだろうな、きっと、プロではなく上手な誰かが、というような趣で。

屋根も壁もポリカの波板でできてるから光を通す。
それから、大きなガラス戸。

植物でも育てていたのかな、ここを作った人が、
どんな風に使ってたんだろうって想いを馳せてしまうような場所。







『うん、そこのサンルームみたいなとこに、置いてもい?
ある程度のメンテは海のそばでやってくると思うけど、ここなら広さも十分あるし』

「うん、よかった。 こっちの和室はどうする。 穂波の好きにしていいけど」

『え? じゃあ… それはまたゆっくり考える。
わたしがどうとかじゃなくて、住んでくうちにアイデア浮かぶかも』

「うん」






庭仕事した後の休憩所とも思ったけど。
それはきっと、縁側になるだろうなって思った。


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