第7章 su casa
ー研磨sideー
「まぁ、万が一大学落ちてても、なにか見込みがあるから家を借りるんだろ。研磨だぞ?」
「まぁそうなんだけどさ、いや俺は気になるね!
いくらもらったら進路も不透明なのにそんな余裕綽々な顔してられんだよ」
「そこは研磨だから… 俺は気にならないな。ただ、」
「………」
「楽しみだよな、これから研磨が何をしていくのか」
海くんの声は、相変わらず穏やかだな。
顔も、口調も、なんか色々、全部。
『そうだ夜久さん、今度試合見に行きたいな』
穂波がふわっと、話題を変える。
「お!マジで!来てきて!チケット用意するわ、研磨と?2枚でいい?」
『うん!ありがとう。やったー♡』
もしも、ばかりはいやだけど。
とりあえず、6月の賞金獲得できたら、株を買う。
最近は、株のチャート、ちょこちょこ見てる。
マサキさん… カズマのお父さんにもいろいろ教わった。
春高のあと引退して自主登校になって。
部活と学校行ってた時間がぽっかり空いたから。
受験勉強はまぁほどほどでいけそうだったし、
ゲームと株のことに時間を使った。
あ、あともちろん穂波とも会える時は会った。
ダンスに、スケボーに、サーフィンに、親や親の友達の手伝いとかそういうバイト。
穂波は相変わらず色々してて、がっつりどっぷり一緒にいるって感じじゃなくて、
わりと合間に合う。予定合わせて会う、って感じで。
それはそれでまた、レベル上げしてる感じがしておもしろかった。
明日は穂波と家の掃除に行く。
綺麗にされてるとこだし、2月末にクリーニングに入ってもらうと大家さんが言ってた。
だから、そんな大してすることないかもだけど。
まぁ、掃除だけじゃなくて。
鞄にいれて運べるものちょっと運んだり。
家の周り、一緒に散策したり。
できたらな、と思ってる。