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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第6章 リレー









『研磨くん、はい』









穂波が線香花火を手渡してくる。









「…ん、あっちでする?」











今は段のとこに座ってて、なんとなく、線香花火はしゃがんでやりたいなって思った。

…ちょっと違うな。

浴衣でしゃがんで線香花火してる穂波を、見たいと思った。










『うん、そうだね』









そう言っておれの手をとる。
ほんと、すぐそこなのに。

手とか繋いで。

でもそれがなんともないどころか、











「研磨嬉しそうに歩いてんね」

「マジだ、ほんっと、2人していい顔すんだよないちいち」

「うるさい、2人とも。さっきからなんなの」

「いや新鮮、新鮮」

「なにが?」

「高校まで一緒にいたけど、研磨をからかうやつなんていなかったからな」

「あー」

「周平も遊児も去年までいうても、もうちょっと遠慮してただろ?」

「遠慮はしてねーけど、まー、じわじわ関係性は変化してくよな」

「俺は別に変わってねーけど。実際そんな会ってねーからな」

「遊児、春からここ住むの?」

「その案も相当良いけど、でもな〜一人暮らしもいいじゃん?迷ってる」

「穂波が日本発つまでこっちいりゃいいじゃん」

「だよな!それがいいよな、姉ちゃんにもそう言われた」

「春に向けて探すより、ゆったりした気分で探せるだろ」










春から、か。
なんかほんと、いろいろ迫ってきてんだな。

卒業とか入学とか、春とか。



途端に意味合いが強くなるっていうか。



穂波と過ごせるタイムリミット的なのが加味されて、今年は妙に迫ってくる感じがある。











『研磨くん、小さいろうそく持ってきた』

「…あ、うん」








穂波は石に蝋を垂らしてて。

浴衣でしゃがんでて。
アップにした髪の毛と、後れ毛と。

ぼんやり小さな火の灯りに照らされた表情と。

なんか、いろいろ。目に入ってくる。







考えごとも、増えがちだけど。
穂波といれる時間、ちゃんと過ごそ。とか思う。











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