第6章 リレー
ひゃふーとかよくわかんない奇声を発しながら、
遊児たちが花火をする傍ら、
こっちは穂波とカズマとあと何人か落ち着いた人らで花火してて。
「もう線香花火しない?」
『…ふふ』
「遊児たちがくる前にしたい。だって絶対線香花火する時こっちくるじゃん」
カズマは遊児たちが来る前に終わらせたいみたいで。
その気持ちはわかるけど、線香花火しないっていう選択肢はないんだな、とか思う。
「でも線香花火はするんだ?」
騒がしいとこからいつの間にかこっちに来てたクロが問う。
「うん。線香花火、穂波好きだから」
「ナルホドねぇ〜」
カズマはきっとモテるってタイプだ。
顔もいいし、スケボーもかなり上手いし、
サーフィンもスポンサーつくレベルらしい。
英語も喋れて、服装も垢抜けてて。
それから雰囲気も喋り方も、うるさくない。
あんまりそういうこと気にしたことないけど、
カズマには思ったし、成長期真っ盛りだからか進化もすごくて今でも度々思う。
かっこいいし、モテるだろうなって。
それなのに穂波のことしか眼中になくて、
穂波のこと一途にすきで、
これで穂波が平気でいられるのが不思議だなって思う。
平気で、年下の友達として接せられることが。
「それを言うなら、そんなカズくんを放置できる研磨も不思議だわ」
「は?」
おれなにも言ってないし。
意味わかんない、クロ。
「研磨の考えてることはわからんことも多いけど、
お前はお前が思ってる以上に顔に出る上に、
穂波ちゃんのこととなるとわかりやすいからな」
「なにそれ意味わかんない」
「え!俺全然わかんねーけど、研磨くんの考えてること」
「俺も結構わかるなー考えっつーか、感情は結構ダダ漏れだよな」
「周平までやめて」
「いや研磨、俺にもわかるし!」
「遊児はもういいから。 花火すれば?」
みんなしてうるさいな。
でも、穂波はなんか嬉しそうに微笑んでる。
かわいいからいいや、とか思いそうになる。
みんながうるさいのとかも、まぁいっかってなるんだからフシギだ。