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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第6章 リレー


ー研磨sideー








『目の前に研磨くんがいたらみんな同じこと言うかな?』










穂波の突拍子もない妄想、また始まった。










「おれにはわかんないけど、木兎サンとかには同じこと言ってそう」

『あー、うん、それは想像つく』

「………」

『すげー!かっけー!! とか、3人で声揃えて、言ってそうだね』

「…笑 ね、ちょっと、なにこの想像」








3人の翔陽って思うと餌待ってる雛鳥が思い浮かぶのは何でだろ。
翔陽は待ってなんかいられないのに。









『けどさ、なんか… なんだろ。 研磨くんがツーアタックした時とか。3人違う動きしてそう』

「あー… うん」

『ブロックフォロー?レシーブと、あと2人は助走に入るとか。ひとりは結果的におとり。
2人ともがおとりになるかもだけど』

「そもそも、スパイクとかサーブとかを打たせる場所をつくるかもね、翔陽なら」

『…?』

「もし3人いるなら、だけど」

『…こっちにいるからあそこに打とうと思って、そしたらそこに翔陽くんがいるってこと?』

「…んーよくわかんないけど 3人いたらそういうことしそう」

『忍者みたいだね にゅんって出てきて、ドロンって消えて』

「いや、消えはしないかな」

『そっか、消えはしないのか』

「いや、消えるのか。こっちにいたはずなのにってのは、感覚としては消える感じかも」

『でも3人も翔陽くんいても。やっぱり、新しそうだね』

「…笑 ほんとだね、ずっと、新しそう。 疲れるだろうな」










なにこの意味わかんない会話、とか思いながら。
りんご飴を齧る。 しゃくって音がする。









『…ふふ 研磨くんべろ見せて』









りんごを飲み込んで舌をだすと、
赤い赤いと穂波がはしゃぐ。

きっと全部食べ終わったら唇赤い、とか言ってかわいい顔で笑うんだろな。

おれたちの、祭りの過ごし方、みたいなの。
決まり事じゃないし、こうじゃなくても穂波といればそれで十分なんだけど。

それでもやっぱり、そういう積み重ねみたいなのは、確かに積もっていく。

穂波の言葉を借りれば、“尊さ” が増していく。












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