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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第6章 リレー


ー月島sideー







「穂波ちゃーん!これ、俺らからも!」









山口が包装された包みを持ってる。
谷地さんが選んでくれた、烏野2年からの気持ち、みたいなものだ。

それもこれも音駒のマネージャーから話を聞いた谷地さんが僕らに話を振って、
それで、そう、贈り物をしようということになった。







さっき、穂波さんは一度泣き出すかと思った。
泣き出すところだったと思う。

でも、ふっと気が抜けたのか何なのか、
涙を堪えたわけではなさそうだけど、泣かなかった。

そして目に涙を溜めたままで、ありがとうと言った時の笑顔は本当に綺麗で、
思わずはっと息を飲むほどだった。








『…え んと…… ありがとう。嬉しい。 …あのね、あのね』









山口から包みを受け取り、またふわりと笑う。








『開けてもいい?って聞きたいの』

「おぅ!開けて開けて!谷地さんが選んだんだぜ!」

『ん、開けたいの見たいの、でもね、みんなご飯食べてないでしょ?
だからこっち終わらせてみんなの席に行って開けてもいい?』

「あ、そうだね。暖かいもの、暖かいうちに食べなきゃね。
じゃあ、席で待ってるね!」

『うん、すぐ行けると思う。ありがとう』









どうせなら同じタイミングで、って音駒に合わせたけど確かにご飯前だ。
穂波さんの合宿メシはこれで最後。

…とか、ちょっと感傷的なモードに自ら入ろうとしてる自分に驚く。










焼き鳥丼の半熟卵乗せ、切り干し大根と人参の酢の物、ピーマンとじゃこの炒め物、
トマトとイカの和風マリネ、きゅうり浅漬け、豆腐とオクラの味噌汁。








それから、








「ゼリーがあるんだよな、今日!やっぱ全部食ってからだよな!」

「残さないなら別に順番は関係なさそうだけど、でも最後に食べたいよね」










白い、ゼリーがある。
カルピスだろうか。

そこにみかんやパイナップルなどの缶詰のフルーツと
あの独特の硬さと風味のある、みつ豆に入ってる豆が添えられてる。

さっぱりと、美味しそうだ。
食後に食べるのはそういう意味合いもあるんだよ、と心の中でひとりごちる。













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