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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第6章 リレー


ー赤葦sideー







穂波ちゃんの提案で、輪になって座ってる。









「…いや、なにこれ。トランプ?」

『あ、蛍くんトランプ持ってる?』

「持ってるわけないでしょ」








妙な、感じは確かにあるけど、
穂波ちゃんの隣でなくても向かい合えるのは良いと思った。








『手でも繋ぐ?』

「いや、つながない」

『…ふふ』

「あ、でも穂波とはつなぐ」







孤爪は相変わらずの調子だ。
そのままで、淡々と、穂波ちゃんの彼氏をやっている。



穂波ちゃんはふふっと可愛い顔をして笑い、
それからそっと手を繋ぐ。








『来年の今頃は何してるかな』

「夏休みだろうね」

『蛍くんは部活かな。春高も出る?』

「え? …あぁ、まぁ、うん。 春高やって引退だろうね」

『京治くんはバイトとかしてるかな〜』

「そうかもね、してるかも」

「孤爪さんはバイトとかするんですか?」

「…え、おれ? バイト…か。 考えたことない」

「…まぁ、そうですよね。今はまだ部活の日々ですし」

『…んふ』






穂波ちゃんの小さな笑い声に顔を向けると、
本当に幸せそうな顔をしている。







「穂波さんは?流石にもう渡米してるでしょ」

『ねー、もう大学始まってるんじゃないかなぁ』

「バイトとかするの?」

『したいしたい。すっごくいい、お店がいっぱいあるから。接客とかしたいな〜
シッターもいいなーとか思うけど』

「カズマは?」

『そう、そうなんだよね。そうなの』

「…カズマ?」








誰だ?








『よく話してる、スケーターの男の子だよ。カズくん』

「あぁ。カズくんがどうしたの?」

『カズくんもね、来年から渡米するの。お兄ちゃんの家に一緒に住む予定なんだ』

「え、カズくんって結構アグレッシブな子じゃなかったっけ。去年の合宿で黒尾さんたちが話してたけど」

『…あー、うん?』

「ほら、そこまた曖昧にする」








カズくんって、小学生じゃなかったか?
いろいろ疑問が浮かぶけど、
孤爪はなんてことない様子でコンクリートの上を歩き回る蟻を観察しているし、
大したことないんだろう、と思えてくる。







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