第6章 リレー
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お布団でしばしごろついた後、
顔を洗って水筒と本を手にふらふら歩く。
夜の学校も特別だけど、
この、朝の学校もすっごく特別だ。
…うん、やっぱり。
最後の夏休み感が、すっごく押し寄せてくる。
辿り着いたのはやっぱり玄関で。
でも、そこには愛おしい3つの頭が並んでる。
左に黒髪の後ろ姿。
真ん中に黒髪と金髪のカラメル多めのプリンヘアの後ろ姿。
右に綺麗なプラチナゴールドの髪色の後ろ姿。
何、してるんだろ。
前回の合宿でも3人でここに集まってたな。
実は3人、仲がいいのかな。
仲悪くはないけど、別段仲良しそうにも見えなかったけど。
妙な、ユニット感。
ほんとに愛おしい後ろ姿。
そっとしておきたい気もするけど、最後だし。
『おはよー、みんな』
声をかけてみよう。
「…あ、穂波ちゃん。おはよう」
「おはよ、穂波」
「おはようございます」
みんな同時にこちらを振り向いて。
そして挨拶を返してくれる。
『ご一緒してもいいですか?』
「うん、もちろん」
『わーい、ありがとう』
そうしてすっと蛍くんと京治くんが研磨くんとの間を空けてくれる。
んーどうしようかな。
『…輪になろうよ。4人で輪になるとね、隣同士か向かい合わせに必ずなるんだよ』
「………」
『それってとってもいいと思わない?』
「うん、じゃあそれで」
そうしてわたしの右に研磨くん左に蛍くん、
そして向かいに京治くんで座る。
なんで、わざわざ円になろうって思ったんだろ、わたし。
これじゃ、くつろぐっていうよりなんだか、
お話ししましょう、そうしましょう、って感じだ。