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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第6章 リレー








「穂波も夕くんも、いい意味で自分本位。良い、意味で。
夜久くんも言ってた。夕くんはすごいリベロなのに、全然おごらない。常に上を目指してる。
でもだからって、できない人を否定したりする感じもない」

『…あぁ』

「穂波もそういうとこある。
だから、周りがどれだけ賞賛しても、
それを否定しないくせに、別段活力に変える気もやる気に変換する気もない。
やる気は自分の中で作ってる感じ、する。2人とも」

『…』

「きっと穂波はそれを良いこととは言い切れないって言うと思うし、
それはどんなことにも言えるけど、でもまぁ実際それができなくて評価を求めて迷子になる人は
少なからず今もいると思うし、これから増えてくと思う」

『…』






研磨くんの目の前に広がる世界は
緻密で繊細で且つ力強くて。

わたしの大好きな、微生物によって支えられてる世界のようだ。

つまり、この世界のミクロとマクロを俯瞰してみたような。
そんな世界。 …つまり、現実。この世界そのもの。

それは一見ファンタジー寄りに見えることがあってもどこまでも現実。






「夕くんや穂波はきっと、そういう迷子になりがちな人のことを、
意図せずして、んーと ……励ます、ことがあると思う」

『……』

「あと、同じような人のこともきっと」

『…なんで』

「…ん?」

『何でそんな嬉しいこと言ってくれるの? 嬉しい』

「…笑 嬉しい2回言った」

『だって嬉しいんだもん』

「伝えたいことは、伝えたいから。穂波には、そう思う」

『…ん』

「伝えなくても伝わってるものがあるから、かもしれない」

『うん』

「…ん」

『ねぇ、研磨くんもさ』

「?」

『別に評価とかそういうのじゃないでしょ、原動力は』

「…あぁ、うん。全然。極力見られたくないし。
勝手にしてるから勝手にしててって思う」

『うん』

「けど、 …うん、まぁそうだね。 数字を戦略に活かすことはするかな。
だから夕くんや穂波のそれとは違う」

『そうかな』

「そうだよ」

『そうなの』

「そうなの」






そんな、会話をした。
そして布団の中でやっぱりどうなんだろうってちょっとだけ考える。








そう、かなぁ?












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