第6章 リレー
8月25日(日)
大体いつもの時間に目が覚めて。
昨日の楽しかった、嬉しかった色々を思い出して布団の中で、
ごろごろ、むふふ、する。
──「穂波と夕くんは似たとこある」
昨日、みんなとおやすみ〜って2階でわかれてから、
研磨くんと少し、階段に座って過ごした。
わたしが気をつけさえすれば絶対にうるさくならないから、
みんなが寝ようとしてる時間でも大丈夫。
むしろ、力くんの「お前らうるさい!寝ろ!」という声が響くまで、
烏野の寝泊まりする教室から聞こえる声の方が数倍大きかった。
『へ?わたしと夕くん?』
それは、嬉しいけど一体どこがどう…?
「…評価を気にしない感じとか」
『評価?』
「多分、これから今以上に、数字とかで評価されてるか目視されるような時代になってくと思う」
『…評価』
「SNSとか… Instagram、結局穂波、まだ登録しただけだよね?」
幸郎くんに言われて登録しただけだけど、
幸郎くんだけをフォローしてるし、投稿もしたことない。
『う…ん たまーに開く』
「ああいうの、多分もっと、これから激化じゃないけど。
プロモーションもいっぱい入ってくると思うし、それで稼げる人たちも増えてくと思う」
『…へぇ』
「まぁ、そういう数字にいろんな形で多くの人の気がいくと思うんだけど」
『……』
「夕くんとか穂波はそういうの、いい具合に流せそう」
『……』
「全然わかんないね、ごめん。仮定ばっかり話した」
『……』
研磨くんの仮定がわからないんじゃないと思う。
わたしの脳みそがついていけないだけだ。