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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第6章 リレー


ー月島sideー








「…え? あ、ガリガリくん? …うん、じゃあもらおうかな」









赤葦さんが僕を挟んで隣に座る穂波さんに答える。
ガリガリくんって、人に一口あげるような珍しいアイスじゃないんだけど、とか思いながら。
この人は初めて食べて、そういう気分になってるんだろうか。







『うん!はい、かじってどうぞ』

「…あーん、って言って欲しいな、俺も」

『…えっ!』








いやいきなりぶっ込んでくるし。
僕が言うのと赤葦さんが言うのは違うから、って言いたくなるけど。

孤爪さんの方を見てみると、心なしか楽しそうな顔してる。

だからなんで、このタイミングで楽しめるんだよ。

いや、ここでストップかける人だったら、
さっきまでの僕とのやり取りもあり得ないわけなんだけど。








「…月島はよくて俺はダメ?」








…ずる。
結構ストレートなんだな、赤葦さんって。

いやこれわざと言ってるのか?









『そっ そんなことないよ。 じゃあ京治くんも、はい、あーん』

「…あっ えっ ちょっ… と」









いやいやいや…
そこまでポーカーフェイスで煽っといて、
ここにきて赤面して顔伏せるとか、だから、反則だって、この人。










『…やだ、京治くん …かわいい』









穂波さんはそう呟いて、そして形成逆転。
いたずらで魅力的な顔をして笑う。









『はい、京治くん? あーんして?』

「…ちょっと穂波」

『…だめ?』

「いいけど、なんかどんどんエロくなっていきそうだから……」








現に穂波さんはアイスを持ってない方の手を僕の腿の上に添えて
身を乗り出して赤葦さんにぐいぐい行ってる。
すでに2人にパンチくらわしてるんだよな…







『………』







どうして良いかわからなくなったんだろう、
穂波さんはその、
僕の腿に手をつき、赤葦さんに向かって身体をかがめながら、
孤爪さんの方を振り返るっていう、いろいろエロい感じの姿勢で固まった。









…ぼとっ







溶け始めたガリガリくんが赤葦さんの脚に落ちる。
そしてピシャッと僕の手にも跳ね返る。






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