第6章 リレー
8月24日(土)
音駒合宿2回目。
「よぉ、穂波ちゃん!」
夕飯の片付けと明日の仕込みをしてると夕くんがみんなを連れて来てくれて。
がやがや わちゃわちゃと 手伝ってくれた。
それは、それは賑やかに。
いつもの顔ぶれ… 京治くんや蛍くんは、別で来てくれたんだけど
あまりの騒々しさにか、わからないけど、ちょっと引いた顔をして、
それでも離れたところに座ってお茶を飲んでる。
「おい月島!なんで手伝わないんだ?」
『夕くん、そんな決まりないから』
「月島くんはなにサマなんですかー!?」
翔陽くんも加わって、それそれは。
賑やかで。
蛍くんは返事をするのも疲れる、といった面持ちでだんまりを決め込んでいる。
でもやっぱり手の数だけ早く終わって。
いつもより床に飛び散ってる水の量は格段に多かったけど、それもご愛嬌。
『終わったね〜 ありがとう〜♡』
「みなさんありがとうございます!」
「よーし!じゃあ風呂入ってガリガリくん食うぜ!!」
「ぅおーっしゃー!」
…笑
ほんとみんな、元気だなぁ。
それから何がどうって、
今日はこの、夕くん、田中くん、力くん、木下くん、成田くんの3年生と、
翔陽くんに山口くん、それから一年生数名に加え、
影山くんがいることがとてもとても愛おしい。
「何?ガリガリくんって」
「穂波ちゃん、お疲れさま」
賑やかな烏野のみんなを後ろから眺めながらのんちゃんと歩き出すと
蛍くんと京治くんが声をかけてくれる。
『うん、みんなもお疲れさま。 ガリガリくんソーダ味をね買ってくれるの、夕くんが』
「…へぇ それで今から銭湯にみんなで?」
『うん、2人もいかが?』
「…はぁ、これが最後なのに、穂波さんがいる合宿」
「それは俺も思ったけど」
「でもまぁ、僕も行く。一緒に行くつもりだったし。2人でだけど」
『…ふふっ いつものがあるからこそのイレギュラーが楽しいね。
なんだかこの夏休みはお祭りみたい。卒業マジックかしら』
「孤爪は?」
『お風呂は済ませてるよ。銭湯には迎えに来てくれるっていってたけど……」
どう、かな。
銭湯行く前連絡して、とのことだった。