第6章 リレー
ー穂波sideー
「80%を占める水分を3%まで減らして、極度の乾燥状態にも耐える……意味わかんない」
iPhoneで研磨くんが調べたしたので、
歯磨きをしながらわたしもそれを覗き込んでる。
『命って、生きるって、生き物ってなんなんだろうって思うよね』
「……いや、なに言ってるか全然わかんないから 笑」
ちゃんと言えたと思ったんだけど、歯磨きしながらは伝わらなかった。
「100度の高音からほぼ絶対零度の極低温まで ……絶対零度って」
『−273.15 ℃』
「…笑 もー穂波、穂波がいない間に先進まないから、口濯いできて」
またも、聞き取れない音になってたみたい。
研磨くんにあんなふうに諭されたのは、初めてかも。
半ば呆れられてたのに、きゅんとしながら洗面所へ向かう。
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さっき沸かしておいた白湯をカップに入れて研磨くんの隣へ。
「… X線の半致死線量は3000-5000グレイ。…ヒトの半致死線量は4グレイだって
気圧もだしなんか… 桁違いすぎて意味わかんないね。なんで生きるの」
『ほんと、不思議だよね。 生きるとは、くらいの勢いでのミラクルだよね。
でも彼らにとってはミラクルでもなんでもなくって、当然のことなのかな』
「…ナゾ。 っていうか」
『うん』
「ほんと穂波、こういうことには抑制が効かないんだね 笑」
『……』
「いろんな興奮してる穂波は見てきたつもりだけど、さっきのは初めて見た。
歯磨き粉の泡、口にいっぱいにして普通に喋るし。聞きとれてる前提みたいな顔してw」
『……』
「…ふ、かわいかったよ、でも、全然わかんなかった」
『…ん』
「今ももっと調べたいんでしょ?」
『……』
「…ふ 笑 なんか調べて欲しいことある?」
『…う …ううん、ないよ』
「嘘だ 笑」
『ほんと、際限ないから明日改めてする』
「…笑 ほんとにそれでいいなら、おれあれ見たいな」
SUITSかな。飯テロかな。
「進撃の巨人、上でみよ?」
あ、それがあった。
もう結構遅いけど変な時間に寝ちゃったし、
いつになく夜更かしモードだ。