第6章 リレー
ショートパンツを脱がされて、
布の上から研磨くんの指が触れると、くちゅって音がする。
「もう、こんななってる」
『………』
「…それに」
研磨くんはサイドにある紐に手をかける
「こんなの履いてる」
『…ん』
「なんで?」
『………』
ううう…そんなの決まってるでしょ…
久しぶりに研磨くんに会える日に、どんな下着つけよっかなって…
久しぶりじゃなくても選ぶの楽しいのに、久しぶりなんだもん、
ドキドキしながらワクワクしながら、選ぶんだよ…
言葉にできずにいると、研磨くんはふっと笑った。
「かわいい おれのため?」
『…ん』
「おれのため?」
『うん、研磨くんだけの、ため』
目を見てそう伝えると、研磨くんは優しく頬を撫でる
わたしも研磨くんの頬に手を伸ばすと手繰り寄せるように唇が重なる。
そっと、触れるだけ。
この先の悦びを、身体はもう知っていて、期待していて、
この、触れるだけのキスで熱っていく。
「焼けたね、アキくんからの写真で知ってたけど」
『…?』
研磨くんはわたしのトップスを脱がせながらそんなことを言うけど、
…お兄ちゃんからの写真?
「…え、毎日送ってくれてた」
『…え、あ、そうなの、なんかごめん』
「え、なんで。穂波、自撮りとかしないし写真くれるの普通に嬉しい」
『…あ、そっか。なら……よかった』
毎日妹の彼氏に妹の写真送るお兄ちゃんってどうなの、って思ったけど、
研磨くんが嬉しいなら、いいや。
「…ふ、照れてる」
『………』
「この下着もかわいい。黒いの、すき」
総レースのブラ…ショーツとお揃いのやつなんだけど…
そんな、研磨くんにストレートに褒められると、照れる。
喜んでもらえればいいなとは思ったけど、
言葉にして褒めてもらいたいだなんて思ってなかったから…
「…あ、でも今までの、ぜんぶすきだから、ごめん、気にしないで」
『へ?』
「いやなんでもない、いつもかわいいよってこと。 …脱がせちゃうんだけどね」
でももうちょっと見てようかな、って呟いて、
研磨くんはわたしの手を取り、甲に口付ける。