第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー研磨sideー
8月1日(木)
『それでね、翔陽くんは最初ぎこちなかったんだけどね……』
昨日穂波が宮城から帰ってきた。
今日はちょうど半日練習で、部活のあとおれん家に穂波が来た。
家の前でちょうど会ったから、家に入ってまだ冷房の効いてない部屋で汗流しながらえっちして、
シャワーを浴びて、穂波の作ってくれた冷やし中華を食べながら穂波の話を聞いてる。
遊児との話はわりと電話で聞いてたし、冷やし中華作りながら話してくれた。
…今は月島とか烏野とかの話で、ペアストレッチのくだり。
まだ、ゼリーのことは聞いてないし、話してない。
『でもやっぱさ、軽く話してるうちにほぐれてきて。
翔陽くんの身体はなんかね、すごかったよ。パワースポットみたいだった』
「…ちょっとよくわかんない。笑 もうちょっと説明して」
『…』
「触ってて元気になるってこと?」
『…そう、それもあるし、でも吸い取られてく感じもすごい。けど疲れない』
「翔陽に吸い取られて疲れないのは一部の特殊な人間だけだと思う」
『…』
「…笑 交換できてる感じがするの?」
…何をかはわかんないけど。
『うん、そう、そうなの。とにかくね、翔陽くんの身体はすごい』
捉え方変えるとちょっとエロくない、それ。
「…満足させてくれた?」
『うん、満ち満ちに満たされて、ふっくふくに染み入った』
「…ちょっとよくわかんない。翔陽化したの?」
『…』
「…」
いつものわかんないけどなんかわかる、感じが薄い、今日。
翔陽化してる。
『…翔陽くんってさ、高野豆腐みたいだよね』
「え?」
『おいしいとこぜーんぶ、吸収するっていうか。染み込んでいく感じ』
「…」
翔陽化からのクロとのシンクロ。
意味わかんない、穂波。
『いろんなことをどんどん吸収してく様子ってよくスポンジって表現されるけど、
翔陽くんはスポンジっていうより高野豆腐だなーって思った』
「…ん、そうなんだね 笑」
『あ、笑ったな』
「…笑ってない。 穂波もほら、食べないと」
『…ん』
ごまだれもハムも手作りの冷やし中華は、
それでも懐かしい味がして、食べやすくて美味しい。